どうして

「どう……して」
 自然と口から言葉がこぼれる。
 どうして、どうして……。

 私はただ……。
「あなたに会いたかっただけなのに――!!」
 どうしてこんなことになるのだろう。
 どうして……。
 そんな思いばかりが頭をよぎる。
 どう……して……。
 去年……。彼が村を出て行った。
 そう、確か発掘調査の手伝いといっていた。
 そのすぐ後に土砂崩れに巻き込まれて死んだと伝えられた。
 けど、遺体は、ない。
 彼は失踪したのだ。
 そのとき、ふと弟たちの言葉がよみがえった。

 ――お兄ちゃんにあったらさ、何やってんだよって伝えてよ、姉ちゃん。
 ――そうだよ。ずっと待ってるのに一度も戻ってこないなんてズルイって言ってよ。
 ――絶対連れ戻してきてよね、姉ちゃん。
 ――ずっと一緒に遊ぶの我慢してきたんだから。

 弟たちは、直感的に何かを感じてたのかもしれない。
 彼の不審な死について。
 だから、あんなことを言ったのかもしれない。
 だったら……。
「確かめ、なくちゃ……」
 サラはうつむいていた顔を上げた。
 そして前方を見据える。
 どうしてこうなったのかは、わからない。
「けど……、わからないなら調べればいい」
 突き詰めればいい。
 きっと調べていけば、また会える。
 彼の身に何が起きたのかを、知ることができる、かもしれない。
「全てが、おかしいもの。彼は何も能力を持っていなかったのに……」
 先ほど会った彼は、能力を持っていた。「水」の能力を。
 そして、彼は自分を認識しなかった。
 もしかしたら、その場の誰も認識していなかったのかもしれない。
「……よし」
 サラは立ち上がると、覚悟を決めたように一つ頷いた。


◆◇解説と言うか、あとがきっぽいもの◇◆

  • 前々から考えてる小説ネタの一部だったりします。とにかく書きたかった。
  • 主人公は「サラ」という女の子。16くらい。弟が4人、妹が1人いる。
  • この世界には能力と言うものがあり、持ってる人と持ってない人がいる。 能力が「炎」「水」「地」「風」「木」がある。サラは「炎」の能力者。
  • 「彼」というのは、サラの彼氏のこと。「考古学」を勉強。発掘調査に出向いて、土砂崩れに巻き込まれ失踪。能力無保持者。
  • サラは一年後に、弟たちに促されて「彼」を探すたびに出る。

で、状況的には何か知らないけど「水」の能力をもってサラの前に現れた「彼」が、彼女と敵対して消えた後のみたいな感じ。
たぶん、彼女の周りにもう2、3人旅の連れがいると思う。
この「周りの人」たちが出てこないのは、あまり詳細を決めてないから。

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