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 リーフはある町で久しぶりにライバルであるソラとであった。
 案の定、にらみ合っている最中、リーフはとある人物を見つける。

 リーフはあれ? とソラの肩越しに町の中を見た。
 見知っているわけではないが、幼い頃の似た後姿を町中に見つけたのだ。
「あれ、もしかして!」
 リーフはソラを完全に無視し、町のほうへ駆け出していく。
 その後を、ソラとそれぞれのポケモンが追っていった。
 その人物の後ろ姿を再び見つけると、リーフは声をかけた。
「ファイア!」
 その声にその人物は振り返る。
「やっぱり、ファイア!」
「え、その声……もしかしてリーフ!?」
 声をかけられた人物――ファイアは、自分に声をかけてきた少女を見て目を見開いた。
「そう。アタシよ、ファイア。いつカントーに戻ってきたの?」
「久しぶり。リーフがマサラタウンを出たすぐ後だよ。オーキド博士から連絡があってさ。それで戻ってきたんだ」
 「そうなんだ。わー! 何か懐かしー♪」
 完全に二人の世界である。
 そこに、ソラたちが追いついた。
「おい、リーフ!」
「あ、ソラ。何、ついてきたの?」
「話途中で駆け出したの、お前だろ?」
「……あれを話というのね、あくまでも」
 ソラの言う話は、リーフにとってはただのソラの自慢話にしか聞こえていないようだ。
 事実そうなのでなんとも言えないのだが。
「で、そいつは?」
「あ、ファイアのこと?アタシのハトコよ」
「ハトコ?」
 ソラは胡乱気に聞き返した。
「そ、ハトコ。五歳まではファイアのやんごとなき事情で一緒に住んでたの。その後ジョウトにいる両親に引き取られて、それ以来今日まで会ってなかったのよ」
「やんごとなきって……。どんな事情だよ、それ」
「……さぁ? ちゃんと聞いてた覚えないや……あは」
 そして二人の視線はファイアに向く。
「……え?それ、ボクに説明もとめてる……?」
 そのファイアの反応に、二人は首を縦に振る。
「やんごとなき事情は、やんごとなきって、ことで。人様にはあまりいえない事情なんだ」
「「ふーん」」
 その反応に、ファイアは心の中で思った。
(というか、激しすぎる夫婦喧嘩から避難するため、なんて言えるわけないじゃないか……)
 単なる夫婦喧嘩、では収まりきらず、なぜか夫婦喧嘩にポケモンを持ち出したのだ。
 それに命の危機を感じた同居していたファイアの祖母は、ファイアをリーフの家へとあずけたのである。
 ちなみに、今ファイアの両親は非常に仲が良いことこの上ない。
「それで、ファイアは何でこっちに?」
 リーフが話題を別のところに持っていった。
 それに内心ホッとしたファイアは、その質問に答えた。
「オーキド博士に呼ばれたのは言っただろ? それで、ボクも図鑑を集め始めたんだ。あくまで図鑑収集だけだけど」
「おじいちゃんに? 何だ、結局三匹手放してるじゃないか、おじいちゃん」
「おじいちゃん?」  ソラの言葉に、ファイアは疑問系でつぶやく。
 それに気付いたリーフが、ソラの紹介をした。
「こっちはオーキド博士のお孫さんのソラ。すっごく憎たらしいやつだから、気をつけてね、ファイア」
 一体、ソラの何に気をつけろというのだろうか。
「そう。博士のお孫さんなんだ。よろしく」
「よろしく。で、今どのくらい集めたんだ?」
 当然のようにソラは話をそっちに振った。
「ええっと……、ちょっと待って。―――六十二匹だ」
「えぇえ!?! ろ、六十……って」
 声を上げたのはリーフである。ソラは落ち着き払っている。
「ま、そのくらいだろうな。そっちはバッヂ集めはしてないんだろ?」
「うん。捕獲しかしてないから」
「ま、この数はその差ってやつだ。――ってことはだ、今のところ一番捕獲数が少ないのはリーフってことか」
「う……」
 その言葉に、リーフは思わず詰まる。
 ファイアがソラに聞いた。
「一番少ない……って、リーフ今どのくらいだったんだ?」
「三十一だっけか?ちなみにオレは四十八だ」
「その話はもういいから!!」
 リーフは顔を赤面させながらそう叫ぶ。
 しかし、逆にソラは食いついた。
「何赤くなってるんだ?リーフ。もしかして自分の捕獲数が少ないのが恥ずかしいのか?ま、オレは捕獲とバトル、両立できてるからこんなに数が増えてるけど、お前はどうせバトルにばっか走ってるんじゃないのか? ジムリーダーに勝てないー、とか言いながら」
「そ……そんなこと、ないわよ!」
「本当か?」
「あ、アタシだってバトルも捕獲も頑張ってるのよ!! おかげでバッチは三つ集まったし! 捕獲だってこれからまた頑張るわよ! いい! すぐに絶対、あんたを抜かしてやるんだからね! 覚えてなさい!」
「それ、悪役が言う台詞だぜ? オレは正義でお前は悪か?」
「だれが悪よ!! アタシにとっての悪は、あんたよ! ソラ!! もう、とっととアタシの目の前からいなくなれー!!!」
 リーフは心の底からそう叫んだ。このとき、すでにファイアは蚊帳の外である。
 リーフのその言葉を聞いたソラは、じゃあと片手を差し出した。
「じゃ、返せよ」
「……へ?」
「何だ、もう忘れてるのか」
 その言葉にリーフは考え込む。
「……何か借りてたっけ?」
「思い出してオレに返すまではお前に付きまとうからな」
「うっわ、ストーカーじゃん、それ」
 そう言い返してから、リーフはあれやこれやと考える。
 数分後。
「あっ、もしかしてコインケース!?」
「当たり。勝手に人のコインケース持って行きやがって」
「あ、ごめんごめん。あの時はロケット団追いかけてたから。ちょっと待ってね」
 リーフは自分のかばんをごそごそとあさると、コインケースを取り出した。
「はい」
「んじゃ、オレはこれで。ま、せいぜい頑張れよ、リーフ。オレにかなわないだろうけどな」
「ヨケーなお世話だぼけ!!」
 去っていくソラの背中にリーフは言葉を投げつけてから、ファイアの腕を取る。
「え、ちょ、リーフ?」
「ファイア。せっかく会ったんだもの。どこかでお茶してこ」
「あ、うん」
 このときファイアは軽く赤面してたが、それにリーフが気付くことは、きっとない。


あとがき(もどき)

そういえばファイアを出していない、と後から気付いたのでここにて登場。
というよりかは、最初は出す予定なかったんです。

でも一つくらい恋愛あってもいいんじゃないかと思って、ファイアご登場。

私は主人公×ライバル図はなしの方向で進めていきます。というか好きじゃないんで。
あくまでも、ライバルはライバルで。

あ、ちなみにハトコは結婚できるそうです。

なのでファイアにはハトコという立場に。密かにリーフを慕ってますが、リーフは気がつきません。

そもそも、リーフに好きな人いませんし(笑)

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