ポケモン陰陽師 其の壱

 立派な陰陽師になるため、旅をしている昌浩たち。
「おーい、昌浩くん。そろそろ休まないかね」
 少年、昌浩の横をひょこひょこと歩いていた物の怪こと「もっくん」は、主人、もといパートナーである昌浩を見上げて提案をした。

 当の昌浩は、聞こえていないのか、無視しているのか返事をせずにせかせかと足を動かしている。
「おーい、昌浩くーん」
 返事なし。
「おいま」
「昌浩」
 物の怪が怒鳴ろうとすると、それを遮るように、さして大きくもなく――むしろ小さい――それでいて澄んでいるよく響く声が昌浩の名を呼んだ。
 昌浩は今度はすぐに反応した。
「ん、何? 彰子」
 昌浩は足を止めて彰子に向き直った。
 彰子。水系妖が大好きな、元西海の闘技場主だ。今はゆえあって昌浩と行動を共にしている。
「昌浩殿……。パートナーの言葉にちゃんと耳を傾けなければ、妖は着いてこない。もっと手持ちの言葉に耳を傾けなさい」
「あっ、すみません、敏次殿。ちょっと考え事をしていたので」
 敏次。妖ブリーダーを目指している、元山陽の闘技場主だ。本格的にブリーダーを目指すため、昌浩と一緒に旅をしている。
「なんで俺の言葉には反応せんのに、彰子の言葉には反応するんだ!!」
「それはそれ、もっくんだからだよ、きっと」
「何だそれは!!」
 物の怪はギャオス! と叫んでから、軽く跳躍して昌浩の方に飛び移る。
「どうだ、この距離なら俺の声も聞こえるだろう」
「もっくん、すねてる?」
「俺が? すねてる?? 何を言ってるかな、昌浩くん」
「……」
 それをすねてるって言うんじゃないのか、と昌浩は思うが、口にはださずに彰子に再び向き直った。
「それで彰子、何?」
「あのね、ちょっと疲れたから、少し休まない? 昌浩」
「あっ、じゃあどっか休めそうなところ探してくるよ。彰子と敏次殿はここで待ってて」
 そう言うだけ言うと、昌浩はすぐに脇の森へと物の怪と共に姿を消した。
「あっ、昌浩!」
「昌浩殿!!」
 二人が止める暇もない。
 仕方なく、彰子は脇の木陰に腰を下ろす。
 敏次も同様にやれやれといった体で、彰子の隣に腰を下ろした。
「もう、昌浩ったら……」
「仕方ないだろ、藤花。昌浩はいつもああじゃないか」
「そうだけど……。でも敏次。やっぱりもう少し慎重さってものが必要だと思わない?」
「まっ、そのうちそれも身につくだろうさ。旅をしてればいろんな出会いがあるからな」
 そうしてしばらく待っていると、ザザッと昌浩が姿を消したあたりの茂みから、物の怪が姿を現した。
「もっくん。昌浩は?」
「向こうで待ってる。とりあえずよさそうな場所を見つけたから俺が連れてこいってさ」
 そういいながらも、物の怪は俺は使い走りじゃないとかぶつぶつ文句を言っている。
 彰子はしゃがみこむと物の怪をひょいと抱き上げる。
「もっくん、ありがとう。ここをまっすぐ行けばいいの?」
「おー、そうだ。ずっとまっすぐ行けば着くぞ〜」
 物の怪はすでに投げやり状態だ。
 彰子はクス、と笑うと敏次と一緒に歩き始めた。

〜TO BE CONTINUED〜


◇◆あとがき(もどき)◆◇

テスト終わってから、と思ったけど、書きたくて仕方ないので書いてしまった。
取りあえず前半部。
勿論ですが続きます。
敏次が彰子に対して口調が割れているのは、ただわたしがタケシ口調で喋らせたかっただけです(汗)
普段は敬語なのでご安心を。
結城先生のあとがきを元に勝手に作ってしまったポケモン陰陽師。
「山陽」は「ニビ」、「西海」は「ハナダ」にそれぞれ対応。

以下、

山陰→トキワ
畿内→クチバ
東海→タマムシ
北陸→ヤマブキ
東山→セキチク
北海→グレン島
南海→セキエイリーグ

になってたりします。

Next->(ポケモン陰陽師 其の弐)[https://sengenzakura.com/blog/pokemon-onmyoji-2]

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