ポケモン陰陽師 其の弐

前回:(ポケモン陰陽師 其の壱)[https://sengenzakura.com/blog/pokemon-onmyoji-1]

 彰子たちが物の怪についていくと、小さな湖水のある場所にたどり着いた。昌浩が一人せっせと茣蓙を広げていたりする。
「昌浩、連れてきたぞ」
「もっくん、ありがとう」
 昌浩は物の怪に御礼を言うと、今敷いたばかりの茣蓙にストン、と腰を下ろした。

「ほぉ。森の中にこのような場所が。きっと森の妖たちも、ここを利用しているのだろう」
「わぁ! 昌浩見て。この湖水、水がとても澄んでいてきれいよ」
「だろ? だからここで休もうかなって思ったんだ。敏次殿も座ってください」
「ああ。折角いい場所を見つけたんだ。ここで昼餉でも取るとしよう」
「「賛成!!」」
 昌浩と彰子は敏次の提案に同時に賛同を示したのだった。

 いい匂いが漂っている。
「おいしい!敏次殿の作る食べ物はやっぱおいしいですね」
「本当。私も少しは見習わないと……」
「藤花様はそんなことをなさらずとも」
 三人はそれぞれ食べながら昼のひと時を過ごしている。
 その横で丸くなっていた物の怪はぴく、と耳を動かした。二、三回そうして湖水に向かって跳ね起きた。
 それに気がついた昌浩は首を傾げた。
「もっくん?」
「昌浩、何かいるぞ」
「えっ!?」
 昌浩はばっと、身を翻して湖水に向き直る。物の怪はすでに身構えている。
 パシャン
 水のはねる音がした。
 彰子はそろ、と敏次と一緒に昌浩の後ろに移動する。
 パシャン、パシャンと水のはねる音が響き、その音がだんだんと近づいてきた。
 バシャッ!
「もっくん、“かえんほうしゃ”!!」
 物の怪は昌浩の指示と同時に一気に炎を放出する。
 水面上に出てきたそれを、しかしかすり傷程度で逃してしまう。
 だが、それでもしっかりと見えた。
「あれは……」
 パシャ、と音がして、それは顔を水面に出した。
「あれって、水竜?」
 後ろで彰子が声を上げる。
「そのようだな。確か生息数が少なくて、水のきれいなところにしか生息できない、というようなことを聞いたことがあるぞ」
「水竜……。よぉし! 絶対ゲットしてやる!! もっく」
「待って昌浩!!」
 昌浩は、いざ妖ゲットに、と意気込んだところを彰子が慌てて引き止める。
「どうした? 彰子」
「私が捕まえる」
 昌浩は一瞬我が耳を疑った。
「……はい?」
「私が捕まえるわ。昌浩は手を出さないで!」
「で、でも俺だって水竜はまだ捕まえてないから」
「いいわよね、昌浩」
「――は、はい」
 満面の笑みに負けた昌浩は、物の怪を連れてすごすごと後ろに引き下がる。
 その昌浩の肩を、敏次がぽんと叩く。
「水系妖が好きだから仕方ない。今回はあきらめるんだ」
「はい……」
 がっくしと昌浩は肩を落としたのだった。
 一方その前方では、彰子が水竜と対峙している。
 彰子は懐から符を取り出し、投げた。
「お願い! 竜鬼!!」
 符の中から蜥蜴のような妖が姿を現した。“みずとかげ妖”の竜鬼だ。
 竜鬼は一回伸びをすると、すぐに戦闘態勢に入る。
 今、彰子の捕獲バトルが始まろうとしていた。

〜TO BE CONTINUED〜


◇◆あとがき(もどき)◆◇

ということで、「其の壱」の続きの「其の弐」ですv

最初から、彰子のバトルにしようと決めていました(昌浩すまん)。
だって、私はカスミと彰子大好きだから!!
本当にそれだけの理由だったり。

で、彰子の手持ち決め。雑鬼の中から決めようか、と考えて、主要三匹のタイプを勝手に決めたり。

竜鬼→『みずとかげ妖』水系
猿鬼→『えんざる妖』炎系
一つ鬼→『ふうせん妖』普通系

一つ鬼なんて、プリンにしか見えないのだけど・・・。

ついでに野生の水竜はポケモンで言う「ミニリュウ」ってことにしてます。
果たして、彰子は無事げっとできるのか。

Next->(ポケモン陰陽師 其の産)[https://sengenzakura.com/blog/pokemon-onmyoji-3]

コメントを残す

応援する