白い日には(ルサ)

「はあ……」
 サファイアは知らず知らずのうちに溜め息をついていた。
 今日はホワイトデー。男の子たちが、バレンタインデーのお返しをする日である。

 サファイアもルビーにバレンタインチョコをあげたのだが、お返しはあまりあてにしていない。
 なぜなら、彼は意外とモテるのだ。
 特に彼と同じ、手芸クラブの女子たちに。
 バレンタインの日も、両手に大量にチョコを抱えていて、聞いてみたらほとんどが手芸クラブの子たちからだと言っていた。
 それだけもらっているのだ。お返しなどしないかもしれない。
「はあ……」
 サファイアはもう一度溜め息をつく。
「どうした?サファイア。今日は元気ないじゃないか」
「先生」
 サファイアが顔を上げると、クラブの担当教師が目の前に立っていた。
 彼女が所属しているクラブは地域探索クラブ。
 その名の通り、地域の自然を探検したり見たり遊んだりするのである。
 そういう今も外にでている。
「何でもなかとです。先生。ちょっと考えごとしてただけけん」
「そうか?今日はホワイトデーだから何かお悩みかと思ったんだがな。じゃ、今日はここらで終わりにしておくか」
「先生!?」
 先生の言葉にサファイアは目を丸くして慌て始めるがすでに遅し。
 先生は他のクラブメンバーに解散のことを告げていた。
 生徒たちは自分のカバンを持っててんでバラバラに散って行く。
 残ったサファイアもしばらく無言で突っ立っていたが、自分のランドセルを背負うと、挨拶をして駆けて行った。

 家に着いたサファイアは玄関戸を開け、居間に行く。
「ただいまったい」
「お帰り。遅かったね」
「うん。ちょっと遠くまで……」
 言いかけてサファイアは動きをピタリと止めた。
 そのまま数秒。
 こくこくと何かを飲む音が響く。
 それからして、ようやくサファイアの時間が動き始める。
「ってルビー!? あんたなしてうちにおると!?」
「いちゃいけないかい? お隣りさんで友達なのに」
「そういう問題じゃなか!」
 考え事をしていたとはいえ、あまりに自然に入ってきたので、全く気がつかなかった。
 彼を見れば、食卓テーブルにつき、マグカップを片手に今日発売のファッション誌を読んでくつろぎきっている。
 しかも見ているファッション誌は女性ものである。
「なしてあんたうちでくつろいどるとね。しかも女性もんのファッション誌なんか見て」
「ココアはサファイアのお母さんが出してくれたんだ。君が帰って来るまでここでくつろいでていいって言われてね」
 ルビーはそこで一旦言葉を切り、頬杖をついたまま目線だけをサファイアに向けた。
「後、この雑誌は、君の服を作るにあたって参考になるかなと思ったんだよ。ブルー先輩にも頼まれてるし。あとCOCOたちのとかのにも」
 言われた瞬間サファイアの頬が少し赤らんだ。
「そ、そんなのあんたに頼んでなか! いつも勝手に作っとるんはあんたやない。あたしは別にあんたに作ってもらわなくたってよかなんやから」
 ランドセルを居間の隅に置き、彼女もルビーの向かいの席に腰掛ける。
「とか言いつつ、結構ボクが作ったの着てるよね」
「それは、せっかく作ってもらったもんを粗末にできんだけったい。――それよか、あんた今日はどうしたと?」
「今日?」
 反復するルビーに、サファイアは、そうたい、と頷いた。
「今日はホワイトデーやない。あんたチョコたくさんもらってたとやから、どぎゃんしたんやろ思て」
「ああ。返したよ。ちゃんとみんなに。さすがに人数多かったからさ、クッキーを母さんに手伝ってもらってたくさん作っていったんだ」
「ふぅん……」
 サファイアはそうとだけ呟いて、こてん、とテーブルの上に頭を転がした。
 そんな彼女の様子を見て、ルビーはクスリと笑う。
「はい、サファイア」
 そんな声とともに、横になった視界の中に何かの袋が入ってきた。
「何と? ルビー」
「新しいくつ。だいぶ古くなっただろう? 新しいの買ってきたんだ。チョコ、美味しかったよ」
 瞬間、サファイアの顔が明るくなっていく。
「ありがとうたい」
 そう言って受け取ったサファイアは包みを開けて行く。
 中にはかわいらしい運動靴が入っていた。
「藍色をベースにしたかわいいクツだろう? そのクツなら汚れも目立たないし、服とも合いやすいだろうし、似合うと思うし」
 ルビーはそこで一旦言葉を切る。
「気に入った?」
 サファイアはコクン、と首を縦に振る。
 その顔は喜びに満ちていた。


〜・*・あとがき(?)・*・〜

何書きたかったんだろう?

とりあえず、バレンタインに遂になるように学園もの白い日。

もう過ぎてる?よくあるこった。気にすんな。

で、書いていて疑問に思った。

サファイアってクツどうしてるの?まさかあれもルビーお手製、ってわけじゃないでしょう!?

ナゾだ・・・。

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